[ A Wave Photonics Wafer Being Tested by CORNERSTONE. Credit: Wave Photonics ]
Wave Photonicsは、英国ケンブリッジを拠点とするスタートアップ。Innovate UKの資金援助を受けて、イオントラップ量子コンピュータ用の集積フォトニックコンポーネントを開発し、英国のサプライチェーンを確立する50万ポンドのプロジェクトを主導している。Oxford Ionics、サウサンプトン大学の CORNERSTONEファウンドリ、およびCompound Semiconductor Applications (CSA) Catapultとのコラボレーション。目標は、統合フォトニクス、および量子技術の英国のサプライチェーンを強化することだ。
トラップされたイオンは、レーザーで電子を精密に取り除いた個々の原子を空間に浮遊させ量子ビットとするもので、スケーラブルで実用的な量子コンピューターの有望なアプローチである。量子ビットは、電場を用いて極めて低いエラー率で制御される。多数のイオンに対応させるためには、光学部品が大量に必要となるためスケーリングが課題となる。これらの光学セットアップの複雑さが増すにつれ、よりスケーラブルでコンパクトなソリューションが必要だ。
集積フォトニクスは、従来の電子チップと同じ製造プロセスを用いるが、その代わりに光を利用するチップを製造する。この技術は、すでにIntelやCiscoなどの企業がデータセンターでのデータ伝送に使用しているものだ。SiNQプロジェクト (Silicon Nitride for Quantum Computing) は、Wave Photonicsで開発されているコンポーネント設計と最適化技術を活用して、イオントラップ量子コンピューターに必要な複数の波長の光をすばやく処理できる高性能デバイスを設計する。Wave Photonicsは、コアとなるフォトニクス設計能力とソフトウェアをベースに、トラップされたイオンの読み取りと操作に必要な幅広い波長のコンポーネント設計担う。
追加情報は、Wave Photonicsから提供されたニュースリリースを参照。
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オリジナル記事:Quantum Computing Report (by GQI)
翻訳:Hideki Hayashi