Boulder Opal は、Q-CTRL が慣れた量子ユーザーと開発者向けに提供するソフトウェアツールであり、ノイズ源の除去、エラーとドリフトの抑制、ゲート忠実度の向上、クロストークの低減、ゲート速度の向上に取り組むことで、量子ハードウェアのパフォーマンスを自動化および最適化する。主には、最適なパフォーマンスを提供するために、量子ビットを制御するパルスを調整および校正することである。従来は手作業で行ってたものだが、量子ビットの数が増加し、潜在的な相互作用の数が指数関数的に増加しているため、自動化されたアプローチが必要になった。Boulder Opal は、Python ベースのプログラムの一つで、機械の校正にかかる時間を、数時間や数日から、わずか数分に短縮することが可能だ。この実現にはAI技術が活用されている。そしてハードウェアにとらわれず、さまざまな種類の量子コンピューティングや量子センシングと連携することができる。
BoulderOpal の新バージョンは、AIを個々のゲート最適化を行うルーチンから、システムのチューンナップや最適化を AI主導でスケジューリングする大規模なアプローチへと拡大している。この新しいアーキテクチャは、全プロセスを自動化し、個々の最適化タスクを適切に呼び出すことが可能だ。
新バージョンの Boulder Opal の2つ目の重要な特徴は、クラウドとオンプレミスのハイブリッドアプローチを使用するようにすることで、その過程の中でインターネットの遅延を減らすことができるようになること。個々のタスクは、低レイテンシーのローカルで実行しつつ、より複雑な判断のため AIは、高性能なクラウドリソースを活用する予定だ。これに伴ってQ-CTRL は、クラウドコンピューティングの能力を大幅に向上させ、より多くのユーザーにサービスを提供しながら、より複雑な AIアルゴリズムを、より高いスループットで処理できるようになった。
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原記事(Quantum Computing Report)
https://quantumcomputingreport.com/
翻訳:Hideki Hayashi