By Carolyn Mathas
「企業における量子コンピューティングの導入に関する初の年次報告書」によると、Zapata Computing社の委託により、グローバル企業の69%が量子コンピューティングを採用、または近い将来に採用を予定しており、米国では71%が機械学習やデータ分析の問題解決に量子コンピューティングの利用に最も関心を持っていることがわかった。実売価格を考えると、QCの導入には時間とリスクを伴う。そこで企業は、コラボレーションを通じて技術の進歩を活用し、ユースケースを迅速化し、量子インフラを構築している。
直近での2つの例を紹介したい。
エンジンの最適化
Andretti Autosport社は、競合他社よりも優れたパフォーマンスの獲得を重要視している。この目標を達成するため、Andrettiは、Zapata Computing社とパートナーシップを結び、ブランドスポンサーシップと数百万ドル規模の契約により、Zapataのプラットフォーム「Orquestra」を導入・活用し、高度な分析と量子技術を活用している。
この契約により、Zapataは、Andretti Autosportと、その技術部門であるAndretti TechnologiesのオフィシャルQCプロバイダーとなった。 Andrettiのエンジニアは、NTT INDYCAR SERIESのイベントで、Andrettiがリアルタイムにパフォーマンスを発揮できるよう、移動式のZapata・パフォーマンス・イノベーション・テクノロジー(P.I.T.)センターからトラックサイドで作業するこになっている。シミュレーションによる高度なMLと最適化作業に重点を置いたスタートから、技術の成熟度に合わせ、徐々に進化させていく予定という。
ZapataのWebサイトでのプレスリリースは下記のリンクから。
エコシステムと人材育成
量子アルゴリズム研究所(QAI)はStrangeworks社と提携した。この提携により Strangeworksは、QAIが提供するサービスを拡大し、サービスを迅速に拡張し、会員間の研究協力を促進できるように、量子対応プラットフォームをサービス(PaaS)として提供する。QAIは、人材プールを拡大し、ブリティッシュコロンビア州およびカナダ全土の経済発展に貢献することを目指している。
プラットフォームである「Strangeworks QC」は、量子コンピューティングプロジェクトの学習、教育、創造、共同作業に使用される予定だ。StrangeworksのWebサイトでのプレスリリースは以下の参考リンクを参照。
※参考
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Strangeworks, Inc.: https://strangeworks.com/
2017年にアメリカ合衆国テキサス州オースティンで設立された量子スタートアップのStrangeworks (ストレンジワークス) は、直感的なソフトウェア開発・会話型計算技術・AI・量子コンピューティングを組み合わせたソリューションを開発・提供しています。企業が抱える大規模で複雑な計算課題を解決するために提供しているStrangeworksのソリューション一式は、先進的な計算ソルバーとアプリケーションで、簡単かつ効率的に活用できるものです。様々な業界のFortune500企業から信頼され、米国、ヨーロッパ、アジアでグローバルに展開しています。
◆Strangeworksのプレスリリース
◆量子アルゴリズム研究所(QAI)
◆「企業における量子コンピューティングの導入に関する初の年次報告書」
◆ZapataのWebサイトでのプレスリリース