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[量子特化の製造施設&データセンター] 米IonQが量子コンピュータ専用の製造施設をシアトルにオープン。データセンター配備型の量子ハードウェアを提供し次世代機の開発も進める

[English follows Japanese]

(出所) IonQ (中央がCEOのPeter Chapman氏)



量子特化の製造施設&データセンターをオープン

イオントラップ型の量子コンピュータ企業である米国の IonQ (NYSE: IONQ) が量子コンピュータ専用製造工場を完成させた。場所はシアトル郊外のワシントン州ボセル。この工場は量子コンピュータに特化した製造施設ということで、本日華々しいセレモニーが開催された。また、この施設はIonQにとって2番目の量子データセンターとしても機能することになる。


IonQは1年前、シアトルの施設にこの量子専用製造施設を建設する計画を発表していたが、発表当初の計画から規模が変更され、今回完成時には最終的に105,000平方フィート(9,754平方メートル, 東京ドームの5分の1くらい)という規模になった。



IonQはデータセンター配備型の量子ハードウェア提供企業に

拡大されたシアトルの量子施設は、ユーザー企業に対してクラウド経由でIonQのハードウェアへのアクセスを提供することになり、同社として2つめの量子データセンターの役割を果たすことになる。

また、次世代IonQ Forte EnterpriseおよびIonQ Tempoシステムの担当チームを含む研究開発と製造チームの拠点となる予定である。


ポイントは、ユーザー企業のデータセンター内に設置できる量子コンピュータを製造し提供できるという点である。ユーザー企業が最も気にするデータセキュリティ問題をクリアにするための解決策として、データセンターと量子コンピュータを同じ施設内に配備するというビジネスモデルである。


ちなみに、同様のビジネス展開をしている企業として、イギリスのOQCがある。OQCはイギリスと日本のそれぞれのデータセンターにOQC Toshikoシステム(32量子ビットの超伝導量子コンピュータ)を設置している。日本においては東京有明にある米EquinixのデータセンターTY11に実機があり稼働している。



今回発表したIonQのプレスリリースはこちら


会見の動画(YouTube)


(出所) IonQ。米ワシントン州のシアトル郊外ボセルにあるIonQの施設




[編集部追記コメント 2024-02-19]

この発表後すぐに IonQのシアトルの施設は「アメリカ初」の量子専用製造施設ではないのではないかという疑義がアメリカの量子業界でわき起こりました。そのため当編集部で調査したところ、どの施設が「アメリカ初」の量子コンピュータ専用製造施設なのかという問題は、rigetti (NASDAQ: RGTI) が2017年にオープンしたFab-1だということが分かりました。アメリカの量子業界もその結論で落ち着いたようです。さらに、2017年当時は世界初ということでした。


このrigettiの世界初の量子専用工場Fab-1はカリフォルニア州フリーモントにあります。Fab-1では、従来のCMOSプロセスと新しい製造方法を組み合わせ、量子コンピューティング、センシング、ネットワークシステムに最適な最先端の超伝導デバイスを製造しています。


詳細はIEEEの記事及びrigettiのwebsiteでご確認ください。なお、この追記コメントは今回の IonQの発表を批判するものではありません。IonQによる量子専用製造施設の定義が完全に明確にされていないためです。


IEEE Spectrum

Rigetti Launches Full-Stack Quantum Computing Service and Quantum IC Fab


rigetti Quantum Foundry Services


Photo: rigetti. Rigetti's Fab-1, located in Fremont, CA



[補足]

IonQ(読み: アイオンキュー)


IonQ Forteシステム


直近で発表されたロードマップ(発表会見での動画あり)


IonQの会社概要

イオントラップ型の量子コンピュータ企業。本社メリーランド州カレッジパーク。 IonQは、自社の量子システムをAmazon Braket、Microsoft Azure、Google Cloudのクラウドを通じて、また直接APIアクセスを通じて提供している。創業者はChris Monroe(クリストファー・モンロー氏)とJungsang Kim(ジュンサン・キム氏)。25年にわたる先駆的研究を基に2015年にIonQを設立した。2021年10月にNYSE上場。6億5000万ドル(約977億円, 2024年2月の為替レート換算)を調達。世界で初めて上場した量子コンピュータ企業となった。ティッカーコード:IONQ。詳細はwww.ionq.com



 記事: Kaori Tanaka



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We had reported in January 2023 that IonQ would open a new facility in Bothell, Washington, a suburb of Seattle, to serve as the main manufacturing facility for their quantum computers and also to serve as IonQ’s second quantum data center. The company has now announced that the facility is completed and is now open. What is a little different in this announcement versus the one a year ago is the size of the facility at 105,000 square feet versus the 65,000 square feet planned when it was originally announced. This facility is unique as it will manufacture quantum computers that are replicable and deployable in customers’ data centers. IonQ’s press release announcing the opening of the facility is available here.



Source:

Quantum Computing Report

https://quantumcomputingreport.com/

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